渡辺美里の代表曲で『Lovin’ you 』というバラードがあります。作曲は私の敬愛する岡村靖幸です。
渡辺美里のセカンドアルバムの収録曲で、そのアルバムの名前にもなっています。
収録曲にはナイナイの岡村隆史が1番好きな歌と評する小室哲哉作曲の『My Revolution』も収録されていて、その曲をおさえてのアルバムタイトル曲で大トリの曲でもあります。
余談ですが、渡辺美里の楽曲を作曲家とその傾向で非常にざっくりと分類すると、ポップな曲は小室哲哉作曲でファンキーな曲は岡村靖幸作曲です。
その他の曲にも素晴らしいアーティストの楽曲提供が多く、大江千里は10yearsという名曲を作曲して提供してます。木根尚登の提供する曲は・・終わらないのでやめときます。
歌詞はほぼ全て渡辺美里が作詞をしております。
私は当時、小学生で幼かったので誰が作曲してるかなど気にもせず、後から気づけば、しらずしらずに、岡村靖幸が作曲した楽曲ばかりを自分の好きな曲としてチョイスしてカセットに録音して聞いておりました。
夏休みに田舎に帰り、渡辺美里のカセットテープが田舎で再生するものがなく、聞くことができないので、山遊びもせずに親戚の車をアイドリングしてもらって、車中のカセットデッキで美里のカセットテープをかけてもらい聞いていたら、BIGWAVEがやってきた(もちろん岡村靖幸作曲)という曲の途中で、テープが擦り切れてしまい、車中のカセットデッキがテープを巻き込んでしまった記憶は鮮明に覚えています。閑話休題。
岡村靖幸は高校を卒業後、仕事探しで、自分にはなんの取り柄もないから、とりあえず1番なれる可能性の低い夢のような俳優や音楽の仕事からチャレンジして、ダメなら現実的な仕事につこうと動かれたそうです。
その考えで1番最初に就活したのが音楽の仕事です。
そこで、最初にアプローチしたのはEPICソニーの大沢誉志幸のディレクターのかの有名な小林一之氏です。
小林氏は岡村靖幸氏を会社に呼んで面談し、マナーができてないなという印象をもたれたそうですが、持ってきた彼のデモテープを聞いて、それがあまりにもクオリティーが高くて、戦慄されたそうです。
ただ、永平寺が修行を始めたいと志願する人を何度か断ってその心意気をみるという風習に似ているのか、岡村靖幸にピアノで作曲できるか質問して、できないと答えると一度、ギター作曲だけではメロディーレンジが弱いという理由で採用をおとされたそうです。
数ヶ月後に、またEPICソニーの小林氏に岡村靖幸からデモテープが送られてきました。しかもその曲は電子ピアノ(シンセ)で作曲した曲でした。
小林氏がビックリして再度、岡村靖幸をよんで面談したところ、岡村靖幸は乗っていたバイクを売ったお金でDX7(ヤマハ製シンセサイザー)を買って、練習して電子ピアノでも作曲できるようになったと伝えました。
その楽曲は以前よりもすごいメロディックになっていて驚愕されたそうです。
小林氏は彼の才能と音楽で食べていくという決意を改めて確認して無事採用となり、トップアーティストの渡辺美里の作曲家としていきなりスタートしました。
しかもソニーのスタジオを好きな時間に使ってよいという特典までついたそうです。
ここまでこの記事を読んでくれた方が存在するのか不安ですが、そういう経緯をふまえてよかったら一度、岡村靖幸ver.のLovin’ you を聞いてみてください。ピアノベースです。
https://youtu.be/F7hxzqL1vpI
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