6月9日はロックの日ですね。
皆さんはロックと言えばどんなバンドやアーティストを思い浮かべますか?
世の中には数えきれないほどのロックバンドが存在しますが、私が真っ先に思い浮かべるのは「Blankey Jet City(ブランキー ジェットシティ)」です。
今日はこのブランキー を紹介したいと思います。
1990年代に活動し2000年に解散してしまいました。
通称ブランキーと呼ばれている日本のバンドで、椎名林檎、タモリ、堂本剛、嵐の二宮、バイキング小峠、フットボールアワー後藤、千原ジュニアなどなどファンを公言している有名人も多くいます。
ちなみにミュージックステーションの司会を長年にわたり務めているタモリさんが、笑っていいとも!の「再結成して欲しいバンド」というコーナーでBlankey Jet Cityを挙げて、客席をポカーンとさせた場面は忘れられません。
これはちょっとした自慢ですが、私はベースの照井さん(写真右の黒髪リーゼントのお方)に麦茶をいただいたことがあります。
東京にある照井さんが運営する服屋に行った時、あれは夏の暑い日で、照井さんご本人と対面する緊張と店までの道のりで私は汗だくでした。
そんな状態で店に入ってきた私を見かねてか、照井さんはクールな声でこう言いました。
「今日は暑いね。まぁお茶でも飲んでいきなよ」
!!!!!
なんと照井さん自らグラスに麦茶を注いで出してくださいました。
なんとお優しいお方!
ますますファンになったのは言うまでもありません。
さて、バンドの特徴ですが、良く言えばオリジナリティがあり、言い方を変えればクセがあります。
ボーカルの歌声、歌詞、曲、演奏のクセがスゴイ。クセの塊です。
特にギターボーカルの浅井健一さんの歌声は万人受けする声ではなく、好き嫌いが分かれるところです。
首を締め上げるような発声で、輪郭のハッキリとした声です。
初めて聴いた人はこう思うでしょう。
「声、変じゃね?」
はい、その感想は間違っておりません。
実際、私も初めは「曲はカッコいいけど、声がな〜」と少し我慢しながら聴いていました。
だがしかし!聴けば聴くほど、沼にハマっていきました。
そう、ブランキー の曲は「3回聴けば飽きてしまうような曲」ではないのです。
聴くたびに違う聴こえ方がする曲ばかりです。
どの曲も同じに聴こえる金太郎飴のようなバンドではないということです。
大事なことなのでもう一度言います。
このバンドは金太郎飴ではなくスルメです。
激しく荒々しい曲もあれば、純粋で優しい曲もあり、同じ人が書いてるとは思えません。多重人格ではないかと思うほど振り幅があります。
野球のピッチャーで例えるなら、ストレートが早く、球種も豊富なタイプです。
ムラっ気が玉に瑕で、荒れ球が目立つこともありますが、絶好調な時の球のコントロール、切れ味は見ものです。
安定感のあるピッチャーも良いですが、このような見ていてハラハラドキドキするピッチャーも魅力ですよね。
そんなバンドです。
さて、今回紹介する曲はこれです。
「ピンクの若いブタ」
特に代表曲というわけではありませんが、歌声、歌詞、曲、演奏などブランキーのクセを堪能するには最適な曲です。
もっとポップでとっつき易い曲もありますが、どんなバンドなのか紹介するために一曲だけ選べと言われたら、この曲がいいんじゃないかと思います。
シラフとは思えないボーカル、何度聴いても意味が分からないセンスの塊のギターフレーズ、ウネウネベース、暴れるドラム、ジャズバンドがガレージバンドに転向したらこんな曲が出来ました、みたいな趣きです。この曲、6分45秒と長いのですが、聴きどころが多すぎて全く退屈させません。
また、彼らの音源の中では珍しく(!)録音状態が非常に良いのもポイントです。
少し話が逸れますが、椎名林檎は浅井健一のことを「歩く芸術」と称しリスペクトしているようです。実際に、自身の代表曲「丸の内サディスティック」でこのように歌っています。
「ピザ屋の彼女になってみたい そしたらベンジー あたしをグレッチで殴(ぶ)って」。
ピザ屋の彼女とはピンクの若いブタに出てくる歌詞。ベンジーとは浅井健一の愛称。グレッチとは浅井健一の愛用するギター。
このように椎名林檎は歌詞に登場させるほど敬愛しているようです。
さらには椎名林檎はロックに日本語は合わない、日本語でカッコいいロックは無理だと考えていたようですがブランキーを聴いて考え方を改めたとのエピソードもあります(ホントかしら)。
ブランキー の楽曲は2021年6月時点ではAmazon MUSICやSpotifyなどのサブスクでは聴くことが出来ません。
気になった方はぜひYouTubeで見てください。
「ピンクの若いブタ」を最初から最後まで、途中で離脱せずに聴けたなら、沼はすぐそこです。
営業部 Y.I