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ラベル新聞にUV抗菌インキの記事が掲載されました

  2021年02月15日

ラベル新聞2021年2月15日号に、弊社のUV硬化型抗菌インキ「UVエース K1抗菌インキ」の記事と代表インタビューが掲載されましたので、お知らせ致します。

 

「UVエース」に抗菌モデル

凸版方式用UV硬化型では初

久保井インキ㈱(大阪市東成区東今里、久保井伸輔社長、電話06・6973・6211)はこのほど、UV硬化型の抗菌インキ「UVエース K1抗菌インキ」を開発。今月中にも提供を開始することを明らかにした。今月内をめどに(一社)抗菌製品技術協議会の「SIAAマーク」の認可が下りる見通しであるほか、久保井インキでは抗ウイルス機能を有したUVインキも開発中。すでに検証機関へ試験依頼を提出済みとし、シール・ラベル用として初の抗ウイルスUVインキの開発にも期待がかかる。

今夏にらみ抗ウイルスインキも

シール・ラベル印刷向けに特化したUV硬化型をはじめ各種インキを製造販売する久保井インキは、旗艦モデル「UVエース」シリーズを1976年から展開。商品の顔を成すラベルに要求される再現性、密着性、耐擦過性などを実装し、広く支持されている。

UVエース誕生から45年の今年誕生した新開発の「UVエース K1抗菌インキ」は、抗菌性評価試験(JIS Z 2801:2010)で黄色ブドウ球と大腸菌への抗菌性能が確認されたUV硬化型抗菌インキ。

同インキの特徴は、印刷面全面に抗菌機能を発現させられる点。抗菌機能とは通常、インキに含有した抗菌剤へ菌が触れることで効果を発現する。このためインキ表面に抗菌剤がわずかに表出する状態が理想とされ、インキが多いと同剤を被覆するため抗菌機能が規定値を下回る場合がある。新インキは独自の設計のもと、盛り量の増減による抗菌性能の下落はほぼなく、また抗菌効果について印刷面全体で発現させるという。

UVエースの従来品とほぼ同様の発色や濃度、硬化性を実装する抗菌インキは、プロセス4色のほか金赤や草、紫、白、ローズ以外にメジュームやOPニス、特練りにも対応。適切な機能発現のため、インキの混合は同シリーズ同士で行う必要があり、希釈する場合は専用のコンパウンド、レジューサーを用いる。

なお久保井インキは抗ウイルス性能を付与したインキも開発中で、今夏の発表を目指している。

―開発の経緯は

 「やはりお客さまの声だ。ニスではなく抗菌インキとして唯一市場に流通する他社製品はオフセット用。シール・ラベル専業メーカーである当社に、レタープレス用のUV抗菌インキを待望する声が届いていた」

―抗菌のこれまで

 「10年以上前に開発の経験はあった。絆創膏の表面印刷用に抗菌性が欲しいなど、抗菌インキ開発の話が寄せられてきた。ただ市場が立ち上がるには至らず、結局開発品止まりに」

 「現下のコロナ対策として求められるのは、あくまで抗ウイルス性能、抗菌はこれとは別物である旨説いてきたが、市場ではマスクケースをはじめとする抗菌仕様の印刷加工物の姿を相当数見るように。衛生意識に対する社会の変化を受け、これはしっかり取り組まなければと再度向き合い、かつての知見を刷新して今回製品化を図った」

―抗菌ニスではなく抗菌インキにした狙いは

 「基本的に抗菌・抗ウイルス機能を持つ粘着製品とは、漆喰が塗布されたものやラミネート材などといった〝基材自体に加工を施したもの〟が本来正しい姿との認識だ。では、抗菌インキの主たる役割は何かと問えば〝それら素材に対して印刷を施すため〟だ」

 「いくら優れた抗菌機能を有した素材でも、企業ロゴなどそこに印刷を施せば、その部分だけ効果は失われてしまう。印刷した部分は保証されないとなると、折角の抗菌粘着製品の価値を毀損してしまいかねない。そこのジレンマに気が付いている印刷会社もあるのでは。印刷物全体の価値を落とさないために、抗菌OPニスではなく抗菌インキを開発した」

―特徴について

 「『皮膜全体が抗菌性を持つ』点と『盛り量をシビアに管理しなくてもいい』点が大きな特徴だ。抗菌効果の発現に使用するのは、多くの他社製品と同様銀イオン系化合物。ただ粒子を混ぜるだけなら簡単で、また開発期間も要らない。われわれはその銀イオンの使い方が異なっている」

 「従来の抗菌ニスの一般的なメカニズムは、菌が抗菌剤と触れることで発現する。このため硬化したインキ上に抗菌剤がわずかに表出する状態が望ましく、インキ盛り量が多いと抗菌剤が表出せずインキ被膜に埋まってしまう。反対に、インキ盛り量が少ないと、抗菌剤の量が少なく、抗菌性能が落ちてしまう。このため抗菌剤が効率的に表出するようインキの盛り量を管理して『点』で菌を捉える必要がある。それに対し、UVエース K1抗菌インキは皮膜全体。『面』で抗菌効果を発現させる設計だ」

 ―印刷適性などは

 「UVエースの従来品と発色、密着性、硬化性は同様。インキツボに注ぐインキを替えるだけで使え、オペレーターも違いに気が付かないレベルだ。広く普及させるには、こうした使いやすさの担保に加えてコスト面も重要。高過ぎて使いづらければ市場は広がらないため、そこを留意した適正な価格を実現している」

―使いどころなど

「例えば、食品向けのラベルを抗菌化しては。プロセス4色から中間色、特色までそろうため『当社のラベルはすべて抗菌インキを使用しています』と訴えていただける」

―総括として

 「繰り返しだが、抗菌・抗ウイルス粘着製品の本流は基材加工品。ただ、高機能ゆえ高価な一面もある。用途や目的で使い分けるなどして、われわれの業界の英知を結集し、競合ではなく協業することでコロナ禍に活路を見いだし共に抜け出したいとの思いがある」

 「また、UVエース K1抗菌インキのバイオマスインキ化や、すでに抗ウイルスインキの開発も進む。これからも〝NO LABEL, NO LIFE.〟の精神で、業界発展の一翼を担っていきたい」

 

今回の取材対象となった「UVエース K1抗菌インキ」は、高い抗菌活性値を持ち、硬化性、素材への密着性、印刷適性、経済性等を兼ね備えたUVインキです。
過日、SIAA(一般社団法人 抗菌製品技術協議会)への入会、製品登録も承認され、事務手続きが完了次第SIAAマークの付与が可能になります。

また、今後はバイオマス対応品、抗ウイルスインキを順次発売予定で、既にバイオマス10%製品の抗菌性能評価は完了しており、こちらも高い抗菌活性値と硬化性、印刷適性を兼ね備えています。

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