年頭所感
新春を迎え、謹んで新年のご挨拶を申し上げます。
昨年は新型コロナウイルスによるコロナ禍に終始した1年でした。年が明けても世界的に予断を許さない状況が続いており、未曽有の危機は終息の兆しが見えてきません。未だかつて誰も経験した事がないこの状況で、今までと同じ事をしている組織に未来はありません。ダーウィンが言ったように、我々は生き残るために「変化に適応」せねばなりません。
個人商店として始まった当社の事業は、少しづつ姿を変え、現在は創業時の製品は何も残っていません。そして本年は創業以来75年を迎えます。この節目を機に、未来のあるべき姿を皆さんと一緒に描き、その姿を実現するため、本年は以下の取り組みを強力に推進して行きたいと思います。
1、サスティナブルな社会実現へ向けた活動
昨年度は、地域に根差した中小企業でありたいとの想いから、東成区が実施する地域課題を克服するプロジェクトや社会的課題に取り組み、その結果、ひがしなりSDGsアンバサダー認証協議会から「次世代パートナーシップ賞」を受賞しました。
今年度も地域に根差した中小企業として、地域課題の解決へ向けた活動や、低炭素社会の実現のため、Co2排出量抑制、バイオマス比率を高めた製品開発等を推進して行きます。
2、DXへ向けて
海洋大国である日本の漁師は、昔から海鳥や小魚の動きに、潮の流れ、雲や太陽の動きなどを見ながら船を走らせ漁をしていました。経験と勘、そして度胸が必要な、まさに海の男の戦場でした。現在はソナーにレーダー、魚群探知機、高性能なGPS、ネットで得る精度の高い天候情報等をフル活用し成果を上げています。
新型コロナウイルスの影響により、世界中でデジタル化が急速に進んでいる状況下、久保井インキは2軸のデジタル化を推進して行きたいと考えています。
1つは現場のデジタル化、デジタイゼーションです。海鳥や小魚を探していた漁師がレーダーやソナーを導入したように、生産現場のみならず営業、開発、業務部門等にも効率的な設備を積極的に導入し、成果を上げて行きます。
2つ目は情報の徹底したデジタル化と利用、デジタライゼーションです。受注情報をはじめ、発注、入荷、生産、検査等のプロセスにおける情報の2重入力は未だ根絶出来ておらず、先ほど述べたデジタイゼーションのアウトプットとしての情報を活用したデジタル化を推進し、DX(デジタルトランスフォーメーション)に繋いで行きます。
3、独自性のある製品開発と市場開発
コロナ禍により深手を負った日本経済において、高付加価値印刷の実現のため、香り印刷を更に進化させ、一過性の香りの印刷物だけではなく、香りがする事に加えて更なる価値を付けることで高い付加価値を創造します。
また、コロナ禍における感染症対策として、昨年開発した抗菌インキを進化させ、抗ウイルス性を持つ「抗菌・抗ウイルスインキ」として発表し、新型コロナ感染症を少しでも食い止める一助になりたいと考えています。
久保井インキは今年も、独自性・将来性・公益性のある製品・サービスを世に送り出して参ります。
4、働きかた改革の更なる推進
社員一人ひとりがイキイキと働け、この仲間たちとここで働き続けたい!と思える職場を作り、全ての職場で事業を通じた社会貢献の担い手であることを実感できるような会社にして行きます。
最後に
現在の劇的な社会環境の変化に適応するためには、我々自身が自ら変革し、社員一人ひとりが環境変化への危機感を持つと同時に、変化はビジネスのチャンス、業務改善のチャンスと捉え、これまでの延長ではなく、新たな視座を持って業務を遂行して行かねばなりません。今までの経験を大切にしつつも、一人ひとりの成長と今後の社会の発展、久保井インキの価値向上に向けて、大胆に挑戦し“変革”して欲しいと思います。
久保井インキ株式会社は、本年もお客様、お取引先様をはじめとし、社会の良きビジネスパートナーとして、社会、お客さまの発展に貢献していきます。
2021年1月6日
久保井インキ株式会社
代表取締役社長 久保井伸輔