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STAFFBLOG 久保井インキで働く陽気で楽しいメンバー日記です。不定期更新ですが、ぜひご覧ください! STAFFBLOG 久保井インキで働く陽気で楽しいメンバー日記です。不定期更新ですが、ぜひご覧ください!

次につなげる

  2019年04月11日

スポーツを観戦して面白いのは言うまでもなく卓越した技能と真剣勝負ゆえの迫力あってのことだろう。
特に大きなタイトルがかかった試合は選手の気合もファンの期待も大きく、勝者と敗者は勝てば天国負ければ地獄とも比喩されるが、実際には勝負に負けたからと殺されてしまう事も無ければ、未来永劫陽の目を見ないなどという事もほぼない。

例えばボクシングでは、世界チャンピオンになる事を夢見ている選手は大勢いる。この選手たちが目指すのは「50勝無敗のメイウェザー」なのか、とにもかくにも「世界チャンピオン」なのか。答えは単純だ。一度でも負けるまではメイウェザーを目指し、一度負けてしまったらそこからは後者であろう。

私の知り合いで元WBA世界チャンピオンというツワモノがいる。彼はプロデビューから18戦全勝という華々しい戦績で世界初挑戦を果たしたものの、結果は1-2の判定による初黒星となった。
初めての敗戦にショックを受け、挫けそうにもなった事は想像に容易いことだが、重要なのは「1-2」の判定負けを「収めた」ということである。

ボクシングの敗けは単純にKO負け(TKOを含む)、判定負けの2種類だが、判定負けにも「0-3」と「1-2」の2つの負けが存在する。実はこの「0-3」と「1-2」の負け方に大きな違いがある。
ボクシングの判定は3人のジャッジ(副審)によって行われ、世界戦を判定するジャッジには当然相当な知識と経験に加え、高い中立性が要求される。「1-2」の判定負けとは、そのような3人のジャッジの中の1人は自分を勝者と認めてくれたという事であり、これこそが「次につなげる」事の重要性を表している。

この選手の場合、19戦目の世界初挑戦で初敗戦を喫したものの次につながる内容であった。その後20戦目となる復帰戦でいきなり世界前哨戦(勝てば世界挑戦が決まる)に勝利、21戦目に再び世界へ挑戦し、念願の世界チャンピオンになった。

敗戦を喫した時も「次につなげる」負け方をすることができたか、次につながらない負け方をしたか。結果は同じ「敗戦」であっても雲泥の差があるのだ。

久保井インキ株式会社
勝負師 S

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