以前ご紹介致しました検査装置のメンテナンスに関して、今日は前回とは違うメニューをご紹介させて頂きます。
この装置は、インキの粘度(TV:タックバリュー)を測定する「インコメーター(INK-O-Merter)」という機械で、単純な構造にみえますが、実はJIS-K5701という日本工業規格で定められた試験機です。
インコメーターでTVを測定する仕組みは、回転する2つのローラーの表面上のインキ膜が、せん断されることによって生じるローラー間の復元力です。
分かりにくいので要約すると、検体となるインキとローラーでインキを練り、その粘り気(引っ張る重さ)を計測しています。
その時、温度や回転数が定められた通りであることが非常に重要なので、定期的に温度や回転数を確認しています。
インコメーターに関わる温度には室温、水温の2種類あり、これらの温度は毎日朝と午後、校正された温度計を用いて計測されています。
今日は月に一度の回転数の検査日です。
弊社のインコメーターは、水温32℃±0.5℃、回転数は400±10rpm(revolutions per minute=回転数/分)と定められています。
検査する金属ロールにマーカーを付け、非接触式タコメーターのセンサーを照射
測定結果は399.2Rpm
同じ試験を3回繰り返し、異常がないことを確認します。
再測定でも398.2rpm。規格内です。
無事に合格です!(^^)
インコメーター2号機も同様に検査します。
こちらは399.5rpm。古い機械ですが、しっかりメンテナンスすればまだまだ使えます。
以前にご紹介した軸受けの交換に限らず、定期的なメンテナンスは試験結果の信頼性向上に寄与するのはもちろんですが、設備を長持ちさせるためにも重要なことです。
弊社はISO9001、ISO14001の認証取得企業として、品質管理の基礎となる検査校正機器の適切な維持管理に取り組んでまいります。
管理部 上田